ウイスパード・アー
呼吸のエクササイズをご紹介します。
アレクサンダー・テクニークのことをよく知らなくても、
以下の手順を読めばやり方を理解できると思います。
ウイスパード・アー(ささやきの「アー」)
それぞれのインストラクションは、
数分かけてゆっくり行ってください。
心地良いと感じることができたら次に進むようにします。
最後まで行うには時間がかかるかもしれません。
1.頭を背骨から離して前方や上方に動かし、
首の関節が自由になるようにしてみましょう。
これにより背骨が長くなり、
肋骨が自由になって可動域が広くなります。
2.自分の舌がどこにあるのかに注意を向け、
舌先が軽く前歯に触れている状態で、
舌を口腔内の底に軽くのせておくようにします。
これによって、空気を肺に送ったり、
肺から出てくる空気の通りをよくしておくことができます。
3.唇や顔の筋を緊張させていないことを確認してください。
緊張させないようにするためには、
笑顔になれるようなことを思い出すとよいでしょう。
4.優しく、無理強いすることなく、
「下顎が下がる」ようにして、口を開けていきます。
重力の力に任せるようにしていけば、
口を開けていく過程で首を後ろに傾けずに済むでしょう。
5.ささやく感じで「アー」と発声します。
「ラフター」や「ファザー」と発声するのと同じ要領です。
実際には「ハー」という音として聞こえます。
呼気の自然な終わりを感じるまで発声します。
無理に空気を速く出そうとしたり、
「アー」の音をできるだけ長引かせようとして、
肺の空気をすべて出そうとしたりするのはやめましょう。
6.優しく口を閉じていき、
鼻から「空気が勝手に入ってくる」ように息を吸います。
7.「アー」と発声しているとき、
緊張している部位がないか注意しましょう。
8.この手順を数回繰り返します。
「呼吸法」というと、
呼吸を長くしたり短くしたり、
お腹や胸を膨らませたりするものが多いのですが、
この本に書かれている「呼吸法」は、
そういう「意図的な呼吸」をしないことを目指すもの。
全身のどこにも緊張を生まない、
「自然な呼吸」を取り戻すためのもの。
今から数年前に受けたオステオパシーの授業の中で、
自分の自然な呼吸を感じるだけの時間がありました。
呼吸を一切コントロールせず、
在るがままの呼吸をただ感じるだけの静かな時間。
その時間が10分だったのか20分だったのか。
はっきりとは覚えていませんが、
その時の感覚はよく覚えています。
目を開いたまま自分の呼吸を感じているだけなのに、
視覚や肉体感覚がどんどん変化していく。
深い瞑想状態に入ったような感覚。
自分で自分の身体を治療しているような感覚。
静寂の中で自分の意識がシフトしていく感覚。
「呼吸の力って、すごいんだなぁ」と感動しました。
呼吸のメカニズムは反射的い働いているものであり、
「自動的に行われるもの」と理解することが重要です。
呼吸を改善しようと何かをすれば、呼吸は妨げられます。
むしろ、決まったやり方から抜け出して、
自然に任せることが必要なのです。
身体に緊張を生まない自然な呼吸。
この本のおかげで、
呼吸をするのが楽しくなりました。
最後に。
この「ウイスパード・アー」をする前に、
軽いストレッチや体操などで身体をほぐしておくと、
「自然な呼吸」の心地良さをより感じられると思います。
呼吸に興味がある方は、お試しください。
- 2018.06.15 Friday
- セルフケア
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- by 白樺整体院