自分の人生の主役を生きる

子供の頃は少年野球をやっていました。

 

確か、小学2年か3年の時だったと思います。

 

野球好きだった父親が、ある日突然、

野球道具一式を買い揃えて、

私と兄と弟をどこかのグラウンドへ連れて行った。

 

私は他の兄弟に比べて

子供時代の記憶がかなり薄いので曖昧なんですが、

確かその日から私の不自由な日々が始まったように思います。

 

 

 

父親はものすごい熱の入れようでした。

 

練習用の道具はどんどん増えていき、

家の前の空き地には簡易のバックネットまで建ちました。

 

ただ、その熱に追いつくほどのセンスと情熱が私にはなく、

最初の頃は父親がトスするサッカーボールを

バットで打つのがやっとなくらいでした。

 

 

父親は高圧的で気分屋で難しい人だったので、

彼の機嫌が悪い時の練習は地獄でした。

 

ミスをすると罵倒されたりボールを投げつけられたり。

 

 

父親とのキャッチボールも苦痛でした。

 

「ミスをしたら怒られる」という恐怖があるから、

私の方はずっと緊張しっぱなし。

 

だから、上手いボールのやり取りはそんなに長くは続きません。

 

やがてボールは父親のはるか頭上へ。

 

 

「・・・(やっちゃったぁ)」

 

 

その先にはいつも田んぼがありました。

 

 

「ボールを見つけるまで帰ってくるな!」

 

 

稲刈り後だといいんですけどね、

稲が育ち盛りの夏なんかは最悪でした。

 

靴を脱いで稲が密集した田んぼへ入り、

泥だらけの迷路の中でひたすらボールを探す。

 

ただ、いつもそこでキャッチボールが終了するのが

唯一の救いでした。

 

 

 

それでもキャッチボールや練習はずっと続きます。

 

夕方、父親が仕事から帰って来る。

 

調子が悪い感じで2階で寝たふりをするも、

「呼んでこい!」という父親に抗えない母親が起こしに来る。

 

 

「お父さん、帰って来たで」

 

 

しぶしぶ外に出てキャッチボールをする。

 

そんな日々でした。

 

 

 

「毎朝走れ」と言われたので、

雨の日も風の日もほぼ毎朝走りました。

 

当時、町内で毎日走っている子供は私ぐらいだったので、

小学校のマラソン大会はいつも1位でした。

 

「ご飯は左手で食べろ」と言われたので、

なるべくそうしていました。

 

「逆立ちしろ」と言われたので、

毎晩冷蔵庫にもたれて逆立ちもしました。

 

身体が硬かったので

「酢を飲め」と言われて飲みましたが、

身体はカチカチのままでした。

 

 

 

小学3年から入った野球チームには、

父親もコーチとして練習に参加するようになりました。

 

毎週末の練習に行くのがいつも嫌でした。

 

雨の日は中止。

 

「やったー!」です。

 

だから、雨が降るのが楽しみでした。

 

そんな不自由な日々が小学6年まで続きました。

 

 

 

当時、テレビの野球中継を「面白い」と思って

観たことは一度もありません。

 

そもそも、好きなスポーツじゃなかったんですね。

だから観たいとも思わなかった。

 

もちろんチャンネルの選択権はずっと父親にありましたが、

父親がいない時にプロ野球でも甲子園(高校野球)でも、

自分からチャンネルをそこに合わせたことはなかったと思います。

 

今でもプロ野球にも高校野球にもほとんど興味はありません。

 

 

 

何年生の時だったか忘れましたが、

小学校の講堂で「私の夢」の発表がありました。

 

画用紙に自分の夢の絵を描いて、

学校のみんなに発表するというやつです。

 

 

画用紙に描いた私の夢は、

 

 

「プロ野球の選手になること」でした。

 

 

これも小学何年生の時だったか忘れましたが、

プロ野球選手を目指して毎朝走っていることを書いた私の作文が、

同じ地区の中学校の授業で紹介されたと聞きました。

 

きっと、「いい子」が書いた文章だったからでしょう。

 

 

小学校を卒業する頃に両親が離婚をすることになり、

そこで私の野球は終わり、少しだけ自由になりました。

 

 

 

 

ここまで長々と書いて何を言いたかったのかと言うと、

「誰かの人生の脇役を、誰かの好みに演じようとしたらダメですよ」

ということです。

 

 

自分の人生というドラマの主役は、

「自分」です。

 

そして、自分が関わる「全ての人」は、

自分のドラマにとっては脇役です。

 

親兄弟でも、自分の子供でも、好きな人でも、友達でも誰でも、

自分のドラマの中でその人達は脇役。

 

ですが、それぞれの人のドラマの中では

その人が主役で、自分が脇役です。

 

つまり、この世界に生きている人全員が、

それぞれの人生の中では主役なんです。

 

だから、誰かの人生の脇役を真面目に演じることよりも、

ただ自分の人生の主役を自由に演じることを大切にすればいい。

 

 

 

でも、子供の頃の私は、

両親(特に父親)のドラマの脇役を

必死で演じようとする「いい子」でした。

 

「プロ野球選手を目指して努力している息子」とか、

「自分の言うことをよく聞く息子」とか、

「野球の才能があって飲み込みが早い息子」という

父親が勝手に作ったシナリオの父親が主役を演じるドラマの脇役です。

 

子供の頃の私は、

親のドラマの脇役を演じることが多くて、

自分のドラマの主役をちゃんと生きていなかったんですね。

 

だから息苦しかった。

 

 

これは家族ではありがちな現象だと思います。

 

 

「私には、私が(自分勝手に)理想とするドラマがあります。

 あなたはその脇役を、私の理想通りに演じてください」

 

 

親が子供に、或いは子供が親に求める。

 

また、妻が夫に、或いは夫が妻に求める。

 

 

その結果、求めてくる方のパワーが強いと、

求められたパワーの弱い方は、

仕方なく相手のドラマの脇役を演じてしまう。

 

 

「いい子」とか「いい親」、

「いい妻」とか「いい夫」という演じ方で。

 

 

自分の人生の主役を放ったらかしにして、

誰かの人生の脇役を必死で演じてしまう。

 

 

でも、私たちの人生の基盤は絶対的な「自由」です。

 

「自由」とは、自分が主役の人生を

好きに創造し生きるという「自由」です。

 

 

誰かの脇役をずっと演じていると、

どこかのタイミングでその不自由に我慢ができなくなって、

「うわーーー!!」と反動が起きる。

 

反抗期、非行、引きこもり、心身の病気、DV、虐待、

(熟年)離婚、薬物依存、はたまた殺人などの悲しい事件は、

自分のドラマを生きられないことが原因なのかもしれません。

 

 

 

 

今の私が小学生の自分に声をかけるなら、

こんな風に言うと思います。

 

 

「誰かの好みに合わせて生きなくてもいい。

 だから、正直に言ったらいい。

 野球は好きじゃないって。

 お父さんは怒るかも知れないけど、

 何も気にしなくていい。

 それはお父さんの問題だから。

 君が悪いわけじゃない。

 今は自分が好きだと思うことをしたらいい。

 好きなマンガとか小説を読んだり、海で泳いだりね。

 世の中のことや色んな人を見ていたら、

 自分が好きなもの、嫌いなものがちゃんとわかってくるし、

 今はそれを知って自分の好みを知る時期だから、

 じっくりと世界を観察したらいい。

 自分の夢とかやりたいことはこれから自然にわかってくる。

 大丈夫。人生ってね、素晴らしいものなんだよ」

 

 

 

この記事を読んでくださっている

「あなたの人生」の主役は「あなた」です。

 

ある人が自分にとってどんなに大切な人だとしても、

その人のドラマの中に自分が入り込んで生きることは、

その人のためにも誰のためにもなりません。

 

人は、誰かの人生の脇役をするために生まれてきたのではなく、

自分の人生の主役を自由に演じるために生まれてきたのですから。

 

 

誰かを喜ばせることや、誰かの期待に応えること、

誰かに喜ばせてもらうことや、誰かに期待することを放棄して、

自分で自分を喜ばせることを基準に自由に生きる。

 

 

そうすることで初めて、

私は私自身を高く評価できるようになりました。

 

 

「誰かのため」より「自分のため」に生きる。

 

 

今はそれが一番大切なことだと思っています。

 

 

 

はぁ〜。

 

40代の半ばにしてやっと気付けました(笑)

 

気付けて良かったです。

 

 


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