静脈

ここのところ、静脈の重要性について考えさせられます。

 

スネル臨床解剖学』の中にはこのように書かれていました。

 

 

 内および外椎骨静脈叢はかなりの量の静脈血を蓄える装置になっている。

 そのうえ、これらの静脈叢をなす静脈は壁が薄く、

 弁を欠くかあるいは不完全な弁をそなえるにすぎない。

 

 したがって脊柱に沿った椎骨静脈叢内では頭蓋から骨盤に至るまでの

 各部位における静脈血圧の差により、時々刻々と血流の向きが変化している。

 この事実は臨床上かなり重要な意味をもつ。

 

 

 

「静脈叢(じょうみゃくそう)」の「叢」とは、

草が群がり生える、草むら、という意味なので、

「静脈叢」は「静脈が集まっているところ」と考えてもらえればいいと思います。

 

多くの静脈は、内部にある弁構造により、

一方通行(心臓の方向)にしか流れない仕組みになっているのですが、

椎骨静脈叢や頭蓋内の静脈洞などは弁がないので

静脈血が両方向に流れる仕組みになっています。

 

「頭蓋←→背骨←→骨盤」と双方向に流れる静脈のつながり。

 

ルイーズ・L・ヘイさんの著書に、

頭痛の改善に性的な解放が効果的だと書かれていて、

「なんでかな?」と思っていましたが、

この流れの双方向性から考えると論理的な説明ができるかも知れません。

 

性交渉などで骨盤の血流が活性化されると、

頭蓋でうっ滞した静脈血(=頭痛の原因)が

椎骨静脈叢を通じて下へ流れていき頭痛が解消される。

 

今年の5月に受講した、

マルク・ダモワゾー先生の講義の中でもそういうお話がありました。

 

あくまでも「かも知れない」の話です。

 

しかし、以下の引用にもある通り、

骨盤内にある前立腺癌が、この静脈のつながりで

遠く離れた脳にまで転移するのですから、

骨盤内の血流の変化が頭痛に影響する可能性は十分にあると思います。

 

生理に伴う頭痛も、「頭蓋←→骨盤」という

静脈血の流れとも無関係ではないような気がします。

 

 

つづきです。

 

 

 脊柱に沿って、壁が薄く弁をもたない多数の静脈が

 椎骨静脈叢を形成することをすでに述べた。

 

 この静脈叢の上端が頭蓋内の静脈洞につながり、

 さらにこの静脈叢から分節状に出る静脈枝が胸腔、

 腹腔および骨盤腔の静脈につながるために、

 種々の重要な静脈血流路が生まれる。

 

 骨盤内の静脈血は下大静脈へ注ぐだけでなく

 椎骨静脈叢を経由して頭蓋内の静脈にも達するが、

 この現象は腹腔内圧が高まるときに特に起きやすいと考えられる。

 

 腹腔内圧は高まるときに腹腔内の静脈血が腹腔外に押し出されるためばかりでなく、

 内椎骨静脈叢が脊柱管内に位置することから、

 腹腔内圧上昇の影響を受けずに格好の静脈血流出路を提供する。

 

 椎骨静脈叢が、前立腺癌の脊椎あるいは頭蓋内への転移に重要な役割を果たす、

 という点に注意すべきである。

 

 

 

左右の腎臓の横にある太くて青い血管が下大静脈

 

 

椎骨静脈叢

 

 

椎骨静脈叢

 

 

頭蓋内の静脈洞

 

(イラストにはそれ以外の静脈も含まれています)

 

 

 

このことも大変興味深いですね。

 

腹腔内圧が高まると、

お腹の中を走行している静脈血が外に押し出されて

椎骨静脈叢に流れてしまう。

 

例えば、自分が走行している高速道路が渋滞していたとしたら。

 

スムーズに目的地までたどり着きたい場合、

渋滞を避けて別の高速道路へとルートを切り替えます。

 

体内を循環する液の流れにも、

渋滞を避けるドライバーのような知性があるようです。

 

腹圧が高まってお腹の血管が渋滞したら、

早く心臓へ戻りたい静脈血は、

ルートを切り替えて背骨の血管の方へと流れる。

 

特に内椎骨静脈叢は、

骨に囲まれた脊柱管の内部を走行しているので、

腹圧の影響を受けずに心臓まで流れることができる。

 

だから、静脈血が集中する。

 

まるで渋滞を避ける車のように。

 

しかし、それが慢性的に続くと背骨の血管も渋滞してきます。

 

背骨の血管の上部は頭蓋内を流れる血管の出口でもありますから、

そこが渋滞し出すと、頭蓋内の血管も渋滞するかも知れません。

 

また、静脈血が心臓に戻りにくくなると、

うっ帯した部位に問題が出てくる可能性もあります。

 

 

このように、液の循環の状態を想像しながら全身を観察していくと、

頭痛、腰痛、坐骨神経痛などの原因が、脊椎や椎間板、

背部や臀部の筋肉の過緊張だけにあるのではないということも

容易に想像できるようになります。

 

食べ過ぎ、早食い、肥満、便秘、消化器系の病気など、

腹部の状態と背部の症状との関係も見えてくるようになります。

 

静脈血の渋滞を防ぐためには、

消化器に負担をかけない生活を心がけることが大切ですね。

 

 

かなり長く専門的な内容になりましたが、

こういう全身のつながりを感じながら日々施術をしています。

 

 


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