腰式呼吸

この間、たまたま朝のラジオを聴いていたら、

ゲストで歌手の由紀さおりさんが出演されていました。

 

番組の中で話しておられたのは、

母の日コンサートの案内と、

喉のケアや歌う時の呼吸について。

 

この時に仰っていたのは、

息を「腰に入れる」こと。

 

「息を吸う時は、お腹を膨らませるんじゃなくて、 

 丹田に意識を置いて、腰の筋肉をふくらませるんです」

 

実際にMCの方が由紀さおりさんの腰を触ったら、

吸気に合わせて腰の筋肉が大きくふくらんだと

驚いておられました。

 

 

そう言えば、私が趣味でお芝居をしていた時にも、

演出家の先生が同じことを仰っていました。

 

 

「息を吸った時に、

 お腹じゃなくて腰をふくらませる」

 

「・・・?」

 

 

ちょっとイメージしにくいですよね。

 

 

私なりにこの呼吸法について考えてみました。

 

 

以前にご紹介したこの動画を見ると、

「腰をふくらませる」「腰に息を入れる」を

イメージしやすいと思います。

 

 

 

 

動画を見ていただくとわかる通り、

息を吸う時には骨盤が後ろに傾き、

息を吐く時には骨盤が前に傾きます。

 

息を吸って骨盤が後傾すると、

それにつられて骨盤の上部についている筋肉が伸びます。

 

動画にはありませんが、この時に伸びるのが、

腰方形筋(ようほうけいきん)という筋肉です。

 

 

下の画像で色がついているのが腰方形筋。

 

肋骨の最下部(第12肋骨)と、

骨盤の上部(腸骨稜)をつなぐ筋肉です。

 

 

 

 

腰方形筋の隣にあるのが大腰筋(だいようきん)で、

骨盤の内張りのような筋肉が腸骨筋(ちょうこつきん)です。

 

これらは腰痛にも関係する筋肉です。

 

両者ともに大腿骨まで伸びていますから、

腰だけではなく脚(股関節や膝など)にも影響する筋肉です。

 

 

腰方形筋は、横隔膜にもピッタリとくっついています。

 

「腰をふくらませる」とか、

「腰に息を入れる」という時に働くのは、

おそらくこの筋肉のことだと思います。

 

 

 

 

スネル臨床解剖学』によると、

腰方形筋は努力呼吸時の呼気に使われるとあります。

 

 

 〔努力呼吸時の呼気について〕

 

 努力して呼気を行うには前腹壁筋の収縮による強い力が用いられる。

 

 腰方形筋もまたその際に収縮し、第12肋骨をさげる。

 

 このような状況下では、肋間筋も収縮して

 肋骨をたがいに上下方向で近づけるとともに、

 第12肋骨に向かって下降させるように働くことが想像できる。

 

 下後鋸筋および広背筋もわずかではあるが

 呼気筋としての役割を果たすものと思われる。

 

 

 

ついでに、下後鋸筋(かこうきょきん)と、

 

 

広背筋(こうはいきん)です。

 

 

 

吸気で骨盤が後傾すると、

第12肋骨と骨盤との間隔が広がり、

腰方形筋が伸長する。

 

呼気で骨盤が前傾すると、

第12肋骨と骨盤との間隔が狭まり、

腰方形筋が短縮する。

 

筋肉は縮む時に力を発揮するので、

吸気の時に腰をふくらませて腰方形筋を伸ばすと、

伸ばした分だけ縮む幅も広がって、

長く強い息が吐ける(=長く強い声が出せる)。

 

 

「腰をふくらませる」

「腰に息を入れる」ことの意図は、

つまりそういうことなのだと思います。

 

 

 

では、なぜ「腹式呼吸よりも腰式呼吸なのか?」という点について。

 

吸気でお腹をふくらませることを意識すると、

骨盤が前へ傾こうとします。

 

この動きは、吸気時の

自然な骨盤の動き(後傾)とは逆の動きです。

 

意識してお腹をふくらませる力と、

無意識で骨盤が後傾する力。

 

両者の相反する力が骨盤にかかると、

骨盤の動きがロックされ、息が入りきらなくなります。

 

単純に吸気でお腹だけをふくらませる呼吸と、

吸気で骨盤が自然に後傾するのを

誇張するように腰をふくらませる呼吸。

(腰に息を入れる時にもお腹は少しふくらみます)

 

どちらの方がより深く息が入るか?

 

実際にやってみると、その違いがよくわかりました。

 

 

更に、呼気で骨盤が自然に前傾していく動きを意識する

(誇張せずに観察するだけでいいと思います)と、

吐く息の「伸び」が感じられます。

 

坐っている時は骨盤の動きが固定されやすいので、

骨盤が自由になる立位で行うとよりわかりやすいと思います。

 

 

 

あと、「丹田に意識を置く」ことついて。

 

骨盤という空間の中に仮想の点(≒丹田)を置くと、

それが動きの軸になるので、呼吸とともに

前・後傾する骨盤の動きを捉えやすくなると感じました。

 

あくまでも、個人的な体感です。

 

 

 

・・・と、長々と説明をしましたが、

由紀さおりさんほどの歌い手から

「息を吸う時は腰をふくらませるのよ」と言われたら、

もうそれだけで十分に説得力がありますね。

 

ちなみに、ネットで由紀さおりさんを

調べてみると、1948年生まれ(!)でした。

 

60代後半であの声を出せるなんて、

本当に素晴らしいです。

 

喉も非常に大切にしておられるそうで、

やはり大切にしたものは活きますね。

 

 

大きな声を出す時、声をはっきり通したい時、

歌う時、司会をする時、お芝居をする時など、

「腰に息を入れる」を意識してみるといいと思います。

 

試しに、カラオケで腰に息を入れて歌ってみたら、

いつもより張りのある声が出た・・・ような気がします。

(あくまでも本人調べ)

 

個人的には、腰痛の予防にもなると感じました。

 

 

腰式呼吸(なんて言葉は多分ありませんが)、

みなさまどうぞお試しください。

 

 


門脈系の側副路

少し前に書いた記事の中で、

口から飲んだ薬の経路をこのようにご紹介しました。

 

 

イラスト解剖学』より

 

 

 口から飲んだ薬は消化管から吸収されて静脈に入る。

 消化管の静脈は門脈を経て肝臓に向かうので、

 吸収された薬も肝臓に送られる。

 

 肝臓は代謝に働くため、多くの薬成分は分解されてしまうが、

 分解されにくい薬成分は肝静脈から下大静脈を経て心臓に至り、

 肺を通り越して再び心臓に戻った後、動脈系で全身に運ばれる。

 

 

 

この経路は食べ物も全く同じです。

 

口から入ったものは胃腸で消化され、

そこで吸収された栄養素や不要物は、

静脈に乗って肝臓へと運ばれる。

 

消化管から肝臓へと続く静脈は、

最終的には「門脈」という太い静脈に合流して肝臓へ注ぎます。

(胆嚢、膵臓、脾臓からの静脈も門脈に集まります)

 

肝臓は、門脈から運ばれた血液を代謝し、

栄養素などの必要なものは体内で活用できる形に変え、

不要なものは胆汁として排出する。

 

 

ところで、もし肝臓が病気になったら、

門脈へ集まるこれらの血液はどこへ向かうのでしょうか?

 

 

 

再び『イラスト解剖学』より

 

 

 門脈の血液は肝臓から下大静脈を経て心臓に韓流する。

 

 しかし、肝臓の病変(肝硬変など)によって肝臓の血行障害が生ずると、

 消化器や脾臓からの血液は肝臓に流入できず、

 うっ血を引き起こす(門脈圧亢進症)。

 

 このような場合のバイパスとして、

 肝臓を通らずに血液を還流する次のような経路があり、

 門脈の側副循環と呼ばれる。

 

 

 1.門脈ー奇静脈吻合

   門脈→胃冠状静脈/短胃静脈→食道静脈叢→奇静脈→上大静脈

 

 2.門脈ー直腸静脈吻合

   門脈→下腸間膜静脈→直腸静脈叢→内腸骨静脈→下大静脈

 

 3.門脈ー臍静脈吻合

   門脈→臍傍静脈→腹壁静脈→上大静脈/下大静脈

 

 4.門脈ー後腹膜静脈吻合

   門脈→上・下腸間膜静脈/脾静脈など

   →後腹膜静脈→腰静脈/左腎静脈など→下大静脈

 

 

 

なるほど。

 

 

「門脈」という太い道路が事故で通行止めになっていたら、

門脈へと続く細い道路(静脈)は大渋滞になる。

 

しかし、心臓へ帰りたい静脈血は、

そのまま停滞するのではなく元来た道を引き返して、

門脈以外の別ルートで心臓へ戻ろうとする。

 

このことから、門脈とそれに注ぐ静脈は、

両方向へ流れる構造(=弁がない)に

なっているということもわかります。

 

あと、別ルートが予め用意されているというのが、

身体のすごいところだなぁと思います。

 

 

更に引用つづきます。

 

 

 

 門脈血圧は約8mmHgと低いが、

 肝臓の血管抵抗が少ないため、

 毎分1.5リットルもの血流が注いでいる。

 

 ところが、肝臓の血管抵抗が上昇すると

 門脈血流が停滞し(門脈圧亢進症)、

 門脈を通るべき大量の血液が側副路に流れ込み、

 側副静脈に怒張や静脈瘤が生じる。

 

 また、門脈は脾静脈により脾臓とも連絡するため、

 門脈圧亢進症で脾腫を起こすことも多い。

 

 

 【食道・胃静脈瘤】

 

 食道から胃上部(底部〜噴門部)の粘膜下静脈叢が

 怒張・蛇行したものを食道・胃静脈瘤という。

 破綻によって大出血を起こすので、

 不用意に内視鏡検査をするのも危険である。

 

 

 【メドゥサの頭:腹壁静脈怒張】

 

 門脈血が、臍傍静脈経由で腹壁静脈[胸腹壁静脈、

 上腹壁静脈、浅腹壁静脈、下腹壁静脈]に逆流して

 怒張・蛇行したものを腹壁静脈怒張という。

 

 臍を中心とする複雑な網状模様を示すため、

 ギリシャ神話のメドゥサの頭になぞらえる。

 

 

 【痔】

 

 門脈圧亢進症による静脈の怒張は

 直腸静脈叢にも起こり、痔症状を示す。

 直腸の静脈には弁がなく、うっ血を起こしやすいためである。

 

 直接的には下腸間膜静脈に連絡する

 上直腸静脈の分布域に直腸静脈瘤が出現。

 粘膜下層の静脈連絡から中直腸静脈や

 下直腸静脈の領域に波及して痔核を形成する。

 

 

 

前回同様、専門用語ばかりで読みずらい内容になってしまいました。

 

興味がある方は、「門脈 側副路」「門脈圧亢進症」などのワードで

画像検索をすると理解しやすいと思います。

 

 

毎分1.5リットルもの血流が門脈以外のルートに流れ込むのですから、

そら静脈瘤もできるし痔もできますね。

 

というより、肝臓の代謝がおこなわれないと、

身体中がおかしくなるのは当然です。

 

 

やはり、肝臓は大切にせなあきません。

 

というお話でした。

 

 


薬の経路

私たちが不調の時に服用するお薬。

 

これが、どういう経路で全身を巡るのか。

 

口から飲み込んで消化管に入った後、

どうやって目的の場所にたどり着くのだろう?

 

ある日、静脈について調べようと本をめくっていたら、

このことについてわかりやすく説明してあるページにめぐり合いました。

 

私もそこを読んで初めて理解できた気がしたので、

今日はご紹介したいと思います。

 

ただし、「わかりやすい」とは言っても専門用語だらけなので、

そういう単語に慣れていない方は読む気にもならないかも知れません。

 

興味がある方だけ読んでみてください。

 

 

 

イラスト解剖学』より

(下記は第6版から引用しました)

 

 

 ふつう、投与された薬は血流によって全身に送られる。

 この際、静脈系の果たす役割は大きく、

 その全体像を把握しておくことはきわめて重要である。

 また、静脈系の全体像を把握しておくと、

 いくつかの病態を理解するうえでも役立つ。

 

 

 【経口投与】

 

 口から飲んだ薬は消化管から吸収されて静脈に入る。

 消化管の静脈は門脈を経て肝臓に向かうので、

 吸収された薬も肝臓に送られる。

 

 肝臓は代謝に働くため、多くの薬成分は分解されてしまうが、

 分解されにくい薬成分は肝静脈から下大静脈を経て心臓に至り、

 肺を通り越して再び心臓に戻った後、動脈系で全身に運ばれる。

 

 このため「肝臓で分解されやすい薬」は

 経口投与では効果が期待できない。

 

 

 【静脈(内)注射と舌下錠】

 

 一般に、静脈注射は上肢の皮静脈で行われ、

 薬は腋窩静脈、鎖骨下静脈を経て上大静脈から心臓に入り、

 肺を通って心臓に戻された後、全身に送られる。

 

 このように、吸収された薬が肝臓を通る前に

 全身に送られるのは舌下錠でも同様である

 〔舌静脈→内頚静脈→上大静脈→右心→肺→左心→全身〕。

 

 なお、アリナミンなどの静脈注射を受けている最中に

 「薬の匂い」を感じることがあるが、

 これは肺で呼気中に出てきた薬成分を鼻腔が感じるためである。

 

 

 【坐剤(坐薬)】

 

 肛門に挿入された坐剤は直腸下部の粘膜から吸収される。

 直腸下部からの静脈血は下直腸静脈などから

 内腸骨静脈を経て下大静脈に送られる。

 

 このため、吸収された坐薬の成分は肝臓を通らずに心臓に送られ、

 肺から心臓に戻った後、動脈系によって全身に運ばれる。

 

 つまり「肝臓で分解されやすい薬」も

 坐剤ならば効果が期待できるといえる。

 

 

 

薬が全身を巡る経路についてはここまでなのですが、

静脈について面白い内容があったので、以下に引用します。

 

もう少しお付き合いください。

 

 

 

 【直腸癌の血行性転移】

 

 直腸の静脈分布を大まかに言うと、

 上部には上直腸静脈(→下腸間膜静脈→門脈)、

 下部には中・下直腸静脈(→内腸骨静脈→下大静脈)が分布する。

 

 このことは、直腸上部の癌の血行性転移は肝臓に多く

 (門脈を通るから)、直腸下部の癌の血行性転移は肺に多い

 (心臓を通り越して肺に入るから)ことの理由として理解できる。

 

 なお、骨盤部の癌には、腰静脈から

 椎骨静脈叢を経て脳に転移するケースもある。

 

 

 【エコノミークラス症候群】

 

 飛行機などで座ったまま脚を動かさずにいると、

 静脈内に凝血が起こりやすい。

 これが何かの拍子に血流で運ばれ、

 肺などの血管を詰まらせることがある(塞栓症)。

 

 ロングフライト症候群とも呼ばれ、

 手術などによる長時間臥床後に起こることもある。

 下肢の静脈は下大静脈に連絡しているため、

 凝血塊は肝臓に入らず、肺や脳に入って詰まる例が多い。

 

 また、腹部損傷の患者では

 下肢の静脈から輸血などを行うのも危険とされる。

 下肢の静脈と直接連絡する下大静脈から

 腹腔内に漏れ出すことがあるためである。

 

 

 

以上です。

 

静脈の経路をざっくり理解しておくのにも役立つ内容でした。

 

解剖学は難しい学問ですが、

仕組みがわかってくるとおもしろくなってきます。

 

そして、こういう小さな理解の積み重ねが、

日々の施術で大きな気づきにつながる。

 

これは、ここ数年で実感したことです。

 

この仕事で生きていけるのは、

本当にありがたいことだと思います。

 

 


痛みを追わない

6年ほど前から右手首に痛みがあり、

手首を完全に伸展(逆立ちをする時の曲げ方)できない。

力仕事が思うようにできないので困っているという20代の男性。

 

施術直後、手首の症状にほとんど変化なし。

可動域も変わらず、痛みも依然として残っている状態。

 

ところが、1ヶ月後に

2回目の施術を受けに来られた時には、

手首の症状は完全になくなっていました。

 

症状の変化は施術の翌日から起こり、

日を追うごとに良くなっていったそうです。

 

 

首の痛みで来られた40代の女性。

とにかく動かすと痛むという、寝違えのような症状。

 

施術の直後は、少しまし程度に症状が改善。

 

1ヶ月後に別の症状で来られた時に

「前回の首はどうですか?」とお聞きすると、

施術の2日後に完全に良くなったそうです。

 

 

ひどい腰痛で来られた70代の男性。

腰を曲げる時と、そこから身体を伸ばす時に激痛。

ズボンや靴下の脱ぎ履き、床のものを拾うことがしにくい。

 

1回目の施術の後で少し改善。

1週間後におこなった2回目の施術の数日後、

腰の痛みが8割がた改善したそうです。

 

 

歩行時に太ももの外側に痛みが出るという70代の女性。

その後に来院された時にお聞きすると、

施術の3日後から歩く時の痛みが無くなったそうです。

 

 

「受けた直後はゆるんだ感じだけで

 変化はよくわからないんですが、数日後や何週間かして、

 あれ?そういえば治ってる!って気づくんです」

 

あるお客さまはそう仰っていました。

 

 

 

「施術の直後に痛みや不快な症状が消える」

 

 

お客さまにとっても施術者にとっても、

これほど嬉しいことはありません。

 

しかし、痛みをその時その場で無くそうとすると、

症状がある場所にズームインし過ぎて、

身体全体を感じられなくなってしまいます。

 

身体全体がどうなっているのか、

自分がどこにいるのかが分からなくなってしまう。

 

まるで迷子になったように。

 

あくまでも、私の場合です。

 

 

また、痛みを追う施術をすると、その症状が消えるまで

身体に何らかの刺激を与えて変化を促し続ける、

というパターンにはまることもあります。

 

「ここ、まだ痛みますか?」

 

「はい」

 

(そこになんらかの手技を入れる)

 

「どうですか?」

 

「まだあります」

 

(再び、手技を入れる)

 

「どうですか?」

 

「まだちょっと」

 

・・・・これの繰り返し。

 

時には、これが身体にとっては過度な負担になり、

治療のつもりが逆にダメージを

残してしまうことにもつながりかねません。

 

 

 

 Find it, fix it, and leave it alon. —— A.T.Still

 

 「それ(病変)を見つけ出し、治療したら、後は放しておきなさい」

 

オステオパシーの創始者、 A.T.スティルの言葉です。

 

 

 

施術者が、その人にとって今必要だと感じた施術をし、

瞬間瞬間で全身がどう変わっていくのかを冷静に観察する。

 

これには、施術者自身が

「自分を信じている」ことが大前提となります。

 

 

自分が学んできたこと。

実践してきたこと。

沢山のお客さまの身体に見せていただいたこと。

自分の手や身体が今感じていること。

 

 

これら全てを信じるに足る自分であり続ける必要があります。

 

 

今の自分はどうだろうか?

信じるに足る自分だろうか?

 

 

私は、今の時点の自分を信じてはいますが、

これが最高で最善でないことも知っています。

 

これからも、楽しみながら向上していきたいと思います。

 

 


傾聴

私たちの仕事の多くの場面では、

痛みや不調の原因となっている歪みに注目します。

 

 

「どこが歪んでいるのか?

 痛みの原因はどこなのか?」

 

 

ちなみに、ここでいう「歪み」とは、

病変、ズレ、変位、捻れ、硬さ、過緊張、拘縮、

アンバランス・・・などなどを、

便宜上ひとまとめに表現したものです。

 

 

身体を観察して見つけた歪みを、

なんらかのテクニックを使って正常な状態に戻すことで、

痛みや不調が回復していくのを促す。

 

治療とか施術を生業にしている人は、

日々の仕事でそういうことばかりしているので、

誰かの身体を見るとついつい歪みを探してしまいます。

 

これはある意味、職業病とも言えます(笑)

 

でも、「歪みのない人」というのは本当に稀

(私は見たことがありません)で、

誰の身体でも歪みを探せば「あそこにも、ここにも」と、

そこら中にあります。

 

それはなんでかというと、

私たちの身体は局所局所で歪みながら、

全体でバランスを取って生きているから。

 

どこかの大きな歪みを補正するために他のどこかが歪んで、

またそれを補正するために別のどこかが歪んで

・・・という風に。

 

もちろん、私の身体も歪みだらけです。

 

 

あらゆるところで歪みをつくりながら、

バランスを取って生きている私たちの身体。

 

その身体に触れる時に大切なことは、

身体全体に対する「尊重」だと思っています。

 

それは、不調そのものや、

局所の歪みや病変に注目することよりも、

その人の全体像を把握しようとすることです。

 

「当人がどうして欲しいのか」だけでなく、

「身体がどうして欲しいのか」にも耳を傾けることです。

 

私の場合は、

「今、この人の身体に私は何をするべきなのか?」

を感じられるまで、穏やかに待ちます。

 

私も癖が強い方なので、

ついつい歪みや病変ばかりに目がいってしまう時があります。

 

そういう時は、ページをめくるように

気持ちを新しくしてまた待ちます。

 

また出てきたらページをめくる。

またまた出てきたらめくる・・・。

 

マスクの中の口角を上がて、

できるだけハッピーに。

 

なんらかのテクニックを行うことよりも、

お客さまの身体を静かに傾聴している時間が、

今は一番大切だと感じています。

 

 

「リージョン(病変)バスターになってはいけませんよ(笑)」

 

 

歪みを追いそうになったら、

映画の『ゴーストバスターズ』にかけて、

こんな冗談を言ってくださった

アメリカ人の先生の言葉を思い出します。

 

 

「オステオパシーはテクニックではない」

 

 

私にオステオパシーを教えてくださった

ほとんどの先生がそう仰っていました。

 

 

オステオパシーを実践するようになってから、

誰が来ても必ず行うルーティーンの手技とか、

歪みを見つけては全て整えていくこととか、

施術者が経験などで得たパターンに合わせて見立てをするとか、

そういう施術はしなくなりました。

 

 

その人格に対する尊重。

その人を取り巻く環境を含めて、

その人の存在全てに対する尊重。

 

 

身体に対する尊重だけではなく、

いつかはそこまでできればと思っています。

 

 


心構え

常にニュートラルでいること。

 

事象を俯瞰で感じること。

 

自分自身を信じること。

 

 

これらはオステオパシーの施術をする際に、

私がいつも心がけていることです。

 

 

施術者の心に不安や心配があったら、

冷静に情報を感じ取ることができなくなり、

観察も触診も施術もうまくいきません。

 

身体の悪い部分だけに注目しながら施術を進めると、

今おこなっている局所の施術が、全体にどのように

影響しているのかが見えなくなります。

常に、大空を飛ぶ鳥のように、

大きな視野で全体を感じ続けることが必要になります。

 

自分の手が今感じているものを信じる。

自分自身に今起こっていることを信頼する。

それは、目の前にいるお客さまとの出会いも含めての信頼です。

全てが偶然ではなく必然であるということを信頼する。

 

 

このことは手技療法に限らず、仕事やスポーツなど

多くの場面で共通して必要なことだと思います。

 

 

自分が会社員をしていた頃に、

こういう心構えで仕事ができていたら。

冷静に大きな視野で仕事を進められただろうし、

もうちょっと営業成績も良かったかも知れません。

 

当時、趣味でやっていたボクシングも、

もうちょっと上達したかなぁとも思いますが、

のめり込み過ぎて身体を壊すよりは、

まぁ、弱くて良かったかなとも思います。

 

 

自分が触れる相手の存在全てに敬意を払うこと。

 

自分が「治そう」と相手の身体に介入しないこと。

 

 

これらも施術には必要な事柄です。

 

明日からもずっと忘れずにおこうと思います。

 

 


痔について

ライフ・ヒーリング(ルイーズ・L・ヘイ 著)』の中に、

痔の原因についてこう書かれていました。

 

 

 考えられる原因

 

  期限を恐れる。過去に対する怒り。

  手放すのが怖い。負担を感じる。

 

 

 新しい思考パターン

 

  愛にほど遠いものは手放す。

  やりたいことには時間と余裕がある。

 

 

 

私の場合は、この「期限を恐れる

というのが見事に当たっていました。

 

 

私の痔が発症したのは今年の1月4日。

 

思えば、昨年12月の中旬から痔が発症した頃まで、

いくつもの期限に追われていました。

 

 

その1つ目は、1月8日からの

オステオパシーの研修時に行われた

基礎医学(消化器、泌尿器、循環器)の

筆記試験に向けての試験勉強。

 

12月の中旬から、今までの講義で使われた

PDFの資料400ページぐらいと、

それに関連する医学書の内容を、

仕事の合間にただひたすら書き写す日々。

 

「こんなんで、ほんまに覚えられるんか?」

と思いながらも、時間がないから黙々とやり続けました。

 

結局、全ページはとても書き写せませんでしたが、

しっかり写せたところは試験もそこそこできました。

 

そして、そのおかげで

「つべこべ考えんと書いたらええんや」と思えるようになって、

日々時間を見付けてはそういう勉強をするようになりました。

 

案ずるより産むが易し。

” JUST DO IT ” です。

 

 

2つ目は、同じく1月8日からの研修時に行われた

オステオパシーの実技試験に向けての対策。

 

筆記試験の対策に手一杯で、

正直これはほとんど何もできませんでした。

 

「まぁ、なんとかなるでしょう」

と開き直っていたつもりでしたが、

気づかないところで焦りがあったのかも知れません。

 

1月の研修の講師はオーストラリアから来られた先生。

論理的でクールなタイプの方でしたが、

実技試験中にそこそこ笑いが取れたので、

「なんとかいけたかなぁ」と勝手に思っています。

 

 

3つ目は、マイ奈良2月号の原稿作成。

年内締め切りの約束が、試験勉強で何もできず、

年明けまで締め切りを伸ばしてもらい、

なんとか初稿で一発OK。

 

 

4つ目は、年賀状。

お客さま用と個人用の2種の年賀状の作成。

毎年のこととはいえ、今回は上記の

3つの作業があったのできつかったです。

 

 

これに加えて、はなちゃんの看病とお別れ。

 

ずっと「尻が落ち着かない」日々でした。

 

あと、頭を使いつつの坐りっぱなしの作業だったので、

血流も含めてお尻に負担がかかったのかも知れません。

 

そしてとどめに、年末年始に多少の暴飲暴食。

身体に溜まった毒素もきっと影響したでしょう。

 

 

私の場合、これらの様々な要素が重なって、

痔という症状が出たのだと、

今日この記事を書きながらつくづく感じました。

 

 

ちなみに、私の痔には痛みがなかったので、

肛門管(長さは4cmほど)の上の方にできる内痔核というやつでした。

 

私がよく読む『イラスト解剖学』にはこう書かれています。

 

 

 肛門を閉じる機構の主役は肛門括約筋だが、

 これに加えて、肛門には粘膜下に発達した静脈叢があり、

 ここに血液をいれて粘膜を膨らますことで

 内腔をぴったりと閉じる仕組みとなっている(肛門クッション)。

 

 ところが、この仕組みが弱くなると静脈叢にうっ血を生じ、

 静脈炎や静脈瘤を形成することがある。

 これを「痔(核)」という。

 

 四足動物では肛門は心臓より高いため、静脈血は容易に還流する。

 このため、肛門の静脈にはもともと弁がない。

 ヒトは直立により肛門が心臓より低くなったが、

 静脈弁をもたないまま直立することで「うっ血」を起こしやすくなり、

 これも「痔」を抱えることになった理由の1つとされる。

 

 — 中略 —

 

 内痔核の位置する直腸下部は

 自律神経の支配を受ける消化管(臓性部)であり、

 裂傷を起こして出血したとしても体性痛を伴わない。

 これに対して、外痔核が位置する肛門粘膜には

 体性感覚神経が分布するため、

 多くの場合に痛みを感じる。

 

 

 

念のため1週間ほど前に病院で診てもらいました。

 

軽く傷跡が残っている程度で大したことはないそうです。

お薬は、肛門に塗る軟膏を処方してもらいました。

 

検査の影響で翌日は少し出血しましたが、

おかげさまで、今はすっかり良くなりました。

 

 

ウチにある何冊かの医学書の、

「痔」について書かれたページに

いくつもの付箋と書き込みが増えました。

 

今回、痔と肛門について知ったことを、

日々の施術に活かしていきたいと思います。

 

 


戻ってまいりました

大寒波がやってきた土曜日の夜に、

鳴門から奈良へ戻ってきました。

 

 

 

 

 

 

寒さの影響でまだ鼻がグシュグシュいうておりますが、

日曜日から通常通り営業しております。

 

木曜日以降はまだ空きがありますので、

不調でお困りの方はお気軽にご相談ください。

 

 


隔膜の連動性

昨日の記事に書いた骨盤底筋は、

呼吸に合わせてこんな風に動きます。

 

 

 

 

以前にもご紹介したこの動画は、

呼吸と共に連動する全身の隔膜の動きを

3Dで理解するのにとても役立ちます。

 

 

瞑想をされる方は、呼吸を観察するのにプラスして、

こういう隔膜の動きを観察してみると面白いですよ。

 

 


骨盤下口からこんにちは

いつも施術中に見ている風景。

 

骨模型だとこんな感じ、

というのを時々確認します。

 

 

 

 

筋肉や内臓がついている実寸模型なら更に良いのですが、

骨格だけでも自分が普段感じている部分がどこなのかを再認識するのに役立ちます。

 

実際に道路を通って地図を頭に入れるのと同じで、

こうやっておくと自分が今どこにいるのかがわかる。

 

道に迷わずにすむ感じです。

 

 

そして、はなちゃん登場。

 

 

 

 

彼女がいるのが骨盤下口。

 

ここについている筋肉が骨盤底筋です。

 

その上に乗っているのが、膀胱、膣から子宮、前立腺、直腸。

 

腰痛、生理痛、子宮の後傾、

出産後の骨盤の問題、便秘、尿漏れなどなど、

骨盤にまつわる不調には、

骨盤底筋の調整が有効な方法の一つだと思います。

 

 

左右の踵(かかと)をくっつけて

30秒正坐をするという健康法があります。

 

この正坐をすると左右の踵が坐骨の間に入るので、

骨盤底筋のバランスを整える効果があると思います。

 

開脚や牛の顔のポーズなどのストレッチもオススメです。

 

 

 

 

底にある組織のバランスは、

その上にある組織のバランスにもつながりますね。

 

 

 

 


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